熱帯雨林再生活動

【サラワク州・事業報告】2025年1~4月 熱帯雨林再生と地域支援活動の実施状況

本協会では、一九九五年より、企業、団体、個人からのご協力を得て、ボルネオ島サラワク州において熱帯雨林再生のための植林活動を行っています。伐採によって劣化した二次林におけるフタバガキ科等在来種の植林を主とした低地熱帯雨林の植生回復と、二〇一七年からはマングローブ植林による湿地林の保全も行っています。

また、二〇一八年からは、マレーシア半島部クダ州においてマングローブ林再生活動を開始し、ボルネオ島と半島部の両地域で熱帯雨林再生活動を展開しています。

マレーシアでは、新型コロナウイルス感染拡大以降、厳しい活動制限令が発令され、多くの社会活動が制限されましたが、植林活動は政府の許可のもと、地域の人々による育苗、植栽木のメンテナンス、植栽作業を継続することができました。

その後、マレーシアでもワクチン接種の進展により、新型コロナウイルス新規感染者数が減少し、全ての規制が解除され、社会・経済活動が通常に戻っています。

 本協会では、引き続き、マレーシア政府の方針に従い、健康と安全を第一として活動を続けて参ります。 前号に掲載しました後の活動状況(本年一月から四月まで)についてご報告します。

サラワク州における活動

●熱帯雨林再生活動

スリアン地区のアペン国立公園とサバル国立公園及び保護林区で、三菱商事株式会社ご協力による「サラワク州先住民居住地域における住民参加型熱帯雨林再生プロジェクト」並びにジェイエイシーリクルートメント社ご協力による「PPPプロジェクト」と「ジェイエイシーリクルートメントの森」プロジェクトを、州政府機関、大学、地域社会と協働して実施しています。  

アペン国立公園では、一月に作業道の補修を行いました。大雨によって傷んだ部分を整備し、今年の植林作業に備えました。

作業道の補修

二〇〇八年に植林したドリアンの木が大きく成長し、初めて実をつけました。

初めて生ってドリアンの実

その他、既植栽木のメンテナンス作業や、フタバガキ科等在来種の育苗作業を行いました。

育苗の様子

サバル国立公園では、劣化の激しい草原地を中心に、フタバガキ科等在来種と在来果樹の植林(二千本)と、既植林地域のメンテナンス作業を行いました。

三月二二日(土)、ジェイエイシーリクルートメントの森プロジェクトとして、活動地域周辺の四村落から六〇名が参加し、植樹プログラムを開催しました。

地域の村人が参加して植林

四月一四日(月)と二六日(土)には、三菱商事ご協力プロジェクトとして、活動地域にあるスバンコイ・マワン小学校とアボック小学校の児童・教員が参加し、環境教育プログラムとして植林体験などを実施しました。

植林方法を学ぶ子供たち

育苗活動として、活動地域に生えているフタバガキ科等在来種の稚樹(山引き苗)を収集し、苗圃で一万五千本育苗用ポットに移植しました。

山引き苗を移植

ルンドゥ地区のサンパディ保護林にて、株式会社ダンロップホームプロダクツご協力による「ダンロップホームプロダクツの森」の活動として、一月に既植栽木のメンテナンス作業を行いました。

下刈り作業後の様子

●村の女性による育苗プログラム

植林活動地域住民の生活向上と参加型プログラムの推進として、村の女性による育苗プログラムを、植林活動地域の村落で実施しています。二月にサバル国立公園周辺村落で千本の苗木を買い取りました。

植林用に買い上げ

●青少年研修プログラム  

サラワク州アペン国立公園と周辺地域の学校で、株式会社木下グループご協力による「木下の森 青少年研修プログラム」を実施しています。

地域の子供が植林体験

二月二二日(土)、活動地域のムボック・ブラワン小学校が初参加し、児童二六名と教員一二名、州政府機関職員三名の計四一名が植林体験と環境学習を行ないました。

関連記事

TOP